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2025年12月24日

【対談】JCNE理事長・佐藤大吾✕全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長・三島理恵氏 ~NPOの信頼は、どうすれば社会に伝わるのか~

(左から)佐藤 大吾、三島 理恵氏

公益財団法人 日本非営利組織評価センター(以下、JCNE)は、認定特定非営利活動法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ(以下、むすびえ)に対し、「グッドギビングマーク認証書」の授与式を行いました。

認証式後には、JCNE理事長・佐藤大吾と、むすびえ理事長・三島理恵氏による対談が行われ、NPOにとっての「信頼」や「第三者評価」の意義について率直な議論が交わされました。

むすびえは設立から7年を迎え、全国に広がるこども食堂ネットワークの中核を担ってきました。一方で三島氏は、実績が一定程度積み上がった段階であっても、組織が健全に運営されていることを評価・認証する「第三者からのお墨付き」が寄付者や地域、企業にとっての安心につながると語りました。
全国各地で活動するこども食堂や、こども食堂の中間支援組織である地域ネットワーク団体が、地域で信頼を得ながら活動を続けていくためにも、認証制度の意義は大きいと語りました。

JCNE理事長・佐藤大吾は、グッドギビングマークについて「行政の監督や取り締まりのための制度ではない」と強調しました。「認証」は団体にとって一定の事務負担やコストを伴うが、その先に、企業や助成団体とNPOをつなぐ“信頼の橋渡し”という役割があると述べました。

JCNEとしても、積極的に企業や助成団体と認証団体との橋渡しの役割を担い、評価を受ける努力が報われる仕組みづくりに取り組んでいくと述べました。

評価制度を「完成されたもの」とせず、認証を受けた団体からの現場の声を取り入れながら、ともに育てていくそんな姿勢が両者から共有されました。

※対談の全編動画は本記事の下部に掲載しています。ぜひご覧ください。

「NPOの信頼」は、善意だけでは伝わらない

佐藤:
NPOへの期待が高まる一方で、「どの団体を信じていいのか分からない」という声も根強くあります。活動の良し悪し以前に、組織として健全に運営されているかどうかを、社会が判断できる材料が不足しています。そこに第三者評価の役割があると考えています。

認証はゴールではなく、スタート

三島:
むすびえは全国のこども食堂を支える立場として、私たち自身が信頼される存在である必要があります。認証はゴールではなく、自分たちの運営を客観的に見直す機会でした。ネットワークの先にいる全国のこども食堂や支援団体、関わる方々にも、安心感を届けられると感じています。

認定特定非営利活動法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ
理事長 三島 理恵氏

「説明できるNPO」が、社会との距離を縮める

三島:
グッドギビングマークがあることで、寄付者や企業、行政と対話する際に、共通の土台ができます。「きちんと運営しています」と自分たちで説明するより、第三者の評価があることは大きいですね。

佐藤:
NPOが過度な疑念を持たれず、本来の活動に集中できる環境づくりにつながると考えています。

公益財団法人 日本非営利組織評価センター
理事長 佐藤 大吾

信頼は「制度」として育てていく

佐藤:
評価制度を特別なものにせず、社会のインフラとして根付かせることが必要です。

三島:
評価する側とされる側が対話を続け、制度を一緒に育てていくことが大切だと思います。

認証式の様子:(左から)佐藤 大吾、三島 理恵氏

▶対談の全編は動画でご覧ください

記事では伝えきれない、グッドギビングマーク制度の意義、第三者評価のリアルを語った対談の全編を公開しています。

制度を「受ける側」と「つくる側」が向き合った対話を、ぜひ動画でご覧ください。

認定特定非営利活動法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ

むすびえは、「こども食堂の支援を通じて、誰も取りこぼさない社会をつくる。」をビジョンに、こども食堂が全国のどこにでもあり、みんなが安心して行ける場所となるよう環境を整えるとともに、こども食堂を通じて、多くの人たちが未来をつくる社会活動に参加できるように活動しています。具体的には、各地でこども食堂を支える地域ネットワーク支援事業、こども食堂支援を行う企業・団体との協働事業、こども食堂の実態を明らかにし普及・啓発する調査・研究事業という、3つの分野の事業を行っています。

https://musubie.org/

\渋谷区ふるさと納税型クラウドファンディング(こども食堂支援)、実施中/

  • 物価高騰で運営が厳しい全国のこども食堂を支えるプロジェクト。
  • 渋谷区が実施する「ふるさと納税型クラウドファンディング」にむすびえが参加。
  • 寄付受付期間:2025年10月15日〜12月31日(〆切あり)
  • 集めた寄付は「むすびえ・こども食堂基金」などの事業に活用

https://furusato-shibuya.jp/cf/detail.php?unid=eae3c7d0273a88b8acc3077d6c5a1e50

グッドギビングマーク制度

グッドギビングマーク制度は、高い専門性と豊富な経験をもとにNPOの評価・認証事業に取り組んできた日本非営利組織評価センター(JCNE)が、適切なガバナンスを行っている組織であると認めた「信頼性の証」を示すマークです。

NPOが、認証機関の認証を得ることによって、ステークホルダーからのいっそうの信頼を高め、ミッションの実現にまい進していくことは、世界的な潮流となっています。

2015年12月17日時点で、グッドギビングマーク認証団体は、全国に25団体誕生しました。

https://goodgiving.jcne.or.jp/about/

公益財団法人 日本非営利組織評価センター

公益財団法人日本非営利組織評価センター(JCNE)は、国内全地域・全分野を対象とした民間唯一のNPO評価認証機関です。2016年の設立以来、1,500件以上の団体を評価・認証し、その知見と経験を活かしてNPOのガバナンス強化を支援しています。2025年には「グッドギビングマーク制度」を開始し、基準を満たした団体に認証を付与。信頼の可視化と寄付・協働の促進を後押ししています。

https://goodgiving.jcne.or.jp/