事業趣旨
JCNEは、2016年の設立以来、非営利組織(NPO)の組織評価を通じてNPOの組織基盤強化・透明性の向上を図ってまいりました。これにより、受益者、支援者、行政、助成財団、企業などの公益活動関係者に対して客観的かつ信頼性のある情報を提供し、NPOの信頼性向上を目指してまいりました。
これまでのNPOの信頼性向上に加え、支援者保護を目的とした新しい第三者認証制度「グッドギビングマーク」を、2025年4月よりスタートします。
新制度ではNPOを寄付や助成金で支援したいと考えている個人、企業・団体、 助成財団、行政などに対して、信頼性の確認に必要な項目を審査し、グッドギビングマークの有無によって、パートナーシップやコラボレーションを検討する際にご活用いただくことを想定しています。
一般的に助成団体や企業がNPOと連携する際の審査基準としては、「事業評価」「組織評価」の両面から実施しています。本制度では「組織評価」のみを対象としています。
認証制度の必要性
JCNEでは、2024年10月にインターネットでNPOの信頼性に関するアンケートの調査を実施しました。アンケート結果から、NPOに対する信頼が必ずしも高くない状況がわかりました。信頼できるNPOに必要な要素をあらかじめ確認しているような、信頼できる第三者認証が企業や個人からも求められています。
これらの調査結果や企業、助成財団等に対するヒアリングから、第三者による評価認証は、企業や助成財団等の支援者、NPOの双方にとって有効だと考えています。
- NPOと連携する際、企業は民間企業との取引きと同様に反社チェックや法令遵守状況を重視しているが、確認方法が確立されていない。
- 加えて、税金滞納状況、行政処分歴、事業報告書等の情報公開状況などの確認について、さらに団体だけでなく役員個人の状況の確認も重視しているが、手間がかかる。
- NPOもまた、反社チェック、法令遵守状況などの状況を、自分自身で証明することは困難である。
グッドギビングマーク制度の概要
新しい認証制度については、これまで実施してきた評価・認証制度(ベーシックガバナンスチェック、グッドガバナンス認証)の実績をベースに、企業のコンプライアンス等に詳しい有識者による「評価制度開発検討委員会」を設置し、審査基準等の検討を行ってきました。
また、反社会的勢力対策やコンプライアンス対応については、警察庁や消費者庁、日本弁護士連合会、全国暴力追放運動推進センター等に相談し、アドバイスをいただいております。
これまでのNPOの信頼性向上に加え、支援者保護を目的とした新しい第三者認証制度として、2025年4月より運用を開始します。
対象法人
1.法人格のあるNPOのうち、公益活動を主とする団体
(営利・共益を目的としない団体)
2.設立後1事業年度を経過し、定時社員総会(評議員会)の開催を終えている団体
対象法人格
- 特定非営利活動法人(認定・特例認定を含む)
- 公益社団法人及び公益財団法人
- 一般社団法人及び一般財団法人(※)
- 社会福祉法人
(※)「非営利徹底型」に限り審査対象とする。普通法人や、非営利法人のうち「共益型」は対象外とする。
申込条件
□団体名義の法人預金口座を有している
□団体のホームページを有している
□過去の寄付募集に対して寄付報告をしている(寄付の実績がない場合、過去に助成金を取得している)
□「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律(不当寄附勧誘防止法)」を十分に理解し、不当な寄付の勧誘を行っていない
□反社会的勢力(テロリスト含む)との関係を遮断し排除している
□団体及び役職員等が、業務内容に関わる法令違反行為を行っていない
□社員総会(評議員会)において、事業報告書及び決算書類を承認、もしくは報告している
□日本非営利組織評価センターが指定した、自治体や中間支援組織からの照会状を取得している
制度概要
審査方法:団体によるセルフチェック、提出書類に基づく書面評価、反社・コンプライアンスチェック、オンライン面談などにより総合的に審査を実施
認証内容:すべての基準を満たした団体に認証(グッドギビングマーク)を付与
有効期間:3年間(更新の場合は再度、認証審査が必要となる)
開始時期:2025年4月(予定)
審査項目
申込時に必要な提出書類・情報
制度申込時に以下の書類を提出する。
- 定款
- JCNEが指定する団体からの照会結果
- 国税、都道府県税、市町村税の納税証明書「その4」(証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないこと)、もしくは減免決定通知書の写し
- 団体名義の法人預金口座の通帳の写し
- 役員・社員(評議員)情報(氏名、生年月日、市区町村までの住所)※社員・評議員は10名未満の団体のみ
- 過去の募金に関する書類またはURL (助成金申請書類でも可)
- 過去の寄付報告に関する書類またはURL (助成金報告書類でも可)
- 社員総会(評議員会)議事録
- 理事会議事録
- 個人情報保護規程(またはプライバシーポリシー)
- 問い合わせ窓口(または連絡先を公開しているページ)のURL
- 定款、役員名簿、事業報告書、決算書類が掲載されたウェブサイトURL
※その他、履歴事項全部証明書を審査で利用しますが、JCNEで取得する。
料金表
認証の取消
認証中の団体について、通報窓口からの通報もしくは自己申告などをもとに基準に関する不祥事情報を収集する。該当団体への連絡を含む証拠集めを通じて事実確認を行う。その上で、認証取消審査を行い、公開カテゴリーの変更を判断する。ただし、寄付者や支援者、受益者の利益を損ねる強い懸念があると判断した場合は、通報内容と団体の証言が異なり事実確認ができない場合であっても、公開カテゴリーの変更によって社会への注意喚起を促すことができるものとする。
公開カテゴリー
・認証団体
・認証団体(確認事項あり)
・認証一時停止団体
・認証取消団体
賛同企業・団体
認証制度の普及を目指し、現在、社会貢献に積極的な企業や助成財団の皆さまに対して、制度への賛同や活用のご協力をお願いしております。
また、認証制度への賛同や活用にご関心をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ当センターまでご連絡ください。具体的な活用方法について、詳しくご案内させていただきます。
評価制度開発検討委員会
各分野の有識者によるディスカッションを経て、新制度に関する答申を作成し、認証制度を構築しました。
今後のスケジュール
グッドギビングマーク制度による認証申込は2025年4月1日(火)から受付を開始する予定です。制度の詳細や申込のためのガイドブック等は4月1日にあらためてWebサイトでお知らせいたします。今しばらくお待ちください。
なお、本ページの記載内容は2025年1月時点のものです。今後、制度内容について一部変更する可能性がございますので、あらかじめご承知おきください。