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2023年4月3日

【お知らせ】ベーシック評価基準及びアドバンス評価基準の改訂について

(公財)日本非営利組織評価センター(JCNE)は、2022年度にベーシック評価基準及びアドバンス評価基準の基準改訂について検討を行い、2023年4月より改訂した評価基準に基づくベーシックガバナンスチェック制度及びグッドガバナンス認証制度の運用を開始しました。
ベーシック評価基準はベーシックガバナンスチェック制度、アドバンス評価基準はグッドガバナンス認証制度の評価基準となります。

評価基準の改訂の経緯
ベーシックガバナンスチェックは制度開始から7年目、グッドガバナンス認証は5年目を迎えた2022年度に、NPOセクターを取り巻く社会状況の変化やこれまでの評価実績から明らかになったNPOの現状と評価内容のギャップ等を考慮した上で、ベーシック・アドバンスの両評価基準の見直しを行いました。寄付者や企業等の支援者にとって活用できる評価制度として、評価を受けるNPO等にとってはガバナンスや組織運営の改善と自団体の信頼性のアピールに活用できるものとして、制度のより一層の充実を図ることを目的に実施しました。

改訂基準の運用
2023年4月1日より運用開始とする。

評価基準の主な改訂内容
(1)ベーシック評価基準
①従来のベーシック評価基準をもとに、評価するJCNE事務局、被評価団体、評価情報を活用する支援者にとって、より使いやすい評価基準に改訂する。
②法令または定款に基づく組織運営をベースに、JCNE独自設定基準として非営利組織の組織運営の基本となる内容を評価基準に盛り込む。
③非営利組織のコンプライアンスの観点から、利益相反防止について、新たに基準に追加する。
④法改正及び社会状況に基づき、ハラスメント防止に関する基準を追加する。
⑤その他、各基準の内容と表現、項目の分類や基準の並びについて見直す。
ベーシック評価の新旧対照表

(2)アドバンス評価基準
①従来のアドバンス評価基準をもとに、評価する評価員及びJCNE事務局、被評価団体、評価情報を活用する支援者にとって、より使いやすい評価基準に改訂する。
②ベーシック評価の上位の評価基準として、非営利組織の組織運営のあるべき姿となる内容を評価基準に盛り込む。
③リスク管理の観点から、ハラスメント防止など法令対応が求められるケースが増えていることから、法対応に関する基準を新たに追加する。
③社員総会/評議員会に関する基準を新たに追加する。
④情報公開に関する基準を新たに追加する。
⑤その他、各基準の内容と表現、項目の分類や基準の並びについて見直す。
アドバンス評価基準の新旧対照表

 

ベーシック評価基準

第三者評価項目

項目 基準No. 評価基準
ガバナンス 1 法令または定款に則り、代表者および役員(理事3人以上、監事1人以上)を選任している。
2 1事業年度に2回以上、法令または定款に則り、理事会を招集し、実際に開催している。
3 法令または定款に則り、理事会の議事録を作成している。
4 法令または定款に則り、理事会で、事業計画・予算・事業報告・決算を審議している。
5 法令または定款に則り、定時社員総会/定時評議員会を招集し、実際に開催している。
6 法令または定款に則り、社員総会/評議員会の議事録を作成している。
7 法令または定款に則り、社員総会/評議員会で、事業計画・予算・事業報告・決算を審議または報告している。
8 役員報酬を支給している場合は、法令、定款または規程に則り、役員報酬の支給を決定するとともに、支払った報酬額(総額)を経費計上し、決算書類に記載している。
9 監事監査を実施し、監査報告書を作成している。
10 直近の登記事項を登記している。
情報公開 11 事務所に備え置くべき書類を整備し、定款・役員名簿・事業計画書・事業報告書・決算書類を組織のホームページまたは情報公開サイトで公開している。

セルフチェック項目

項目 基準No. 評価基準
情報公開
12 組織の所在地および問合せ方法を組織のホームページまたはSNSで公開している。
13 寄付者・支援者等に事業の成果を報告している。
14 理事との利益相反を理解し、その有無を確認の上、適切に対応を行っている。
15 個人情報の取扱いに関する規程を定め、取得目的を明示している。
コンプライアンス
16 法令または規程で定められた保存年数の期間、法定保存文書を保存している
17 雇用契約を締結している職員がいる場合、法令に基づく労務管理を行っている。
18 ハラスメント防止策を講じている。
組織の目的と事業
19 組織の目的と事業を文書化している。
20 組織の目的に沿った単年度事業計画を策定している。
21 事業の対象となる社会的ニーズや課題を多様な関係者からくみ取っている。
22 各事業の定期的な振り返りや見直しを行っている。
会計・財務
23 会計に関して、専門知識をもった役職員が担当している、または会計専門職や外部の支援団体からアドバイスを受けている。
24 税務申告と納付を行っている。
25 現金の取扱いや資金管理に関して、複数名でチェックしている。

※8は役員報酬の支給がある場合のみ適用。
※17は雇用がある場合のみ適用。

アドバンス評価基準

領域 項目 NO. 基準内容
学びと価値創造 ニーズの把握と活動の改善 1 社会課題に関して、第三者や受益者、市民等から意見を聴くための仕組みや機会を設け、活動の参考にしている。
2 外部からの要望や提案、苦情について、内部で情報共有し日常業務や活動の中で適切に対応するとともに、それらを参考にしながら事業や組織運営の改善に取り組んでいる。
業務執行と人材育成 3 業務執行の意思決定について、内部の関係者で事前に情報共有、議論を行った上で内部ルールに基づき意思決定を行い、その内容を関係する役職員に情報共有している。
4 事業達成に向けて必要な情報や問題を関係者で共有し、事業の改善や創意工夫に取り組んでいる。
5 組織の持続的発展に向け、内部研修やOJTの実施、外部セミナーの受講促進等を通じて、役職員やボランティアのスキルアップや人材育成に取り組んでいる。
事業計画と対応 6 組織ミッション・ビジョンに基づく、複数年度の中期計画を策定しているとともに、振り返りや評価を行っている。
7 社会状況に柔軟に対応するため、必要に応じて、適切な手続きをとった上で事業計画に記載されていない事業にも取り組んでいる。
8 事業における様々なリスクを把握し、対応する仕組みや体制を整備している。
情報発信と啓発活動 9 社会課題や活動に対する理解と共感が得られるよう、広く社会に向けて、働きかけや情報発信を行っている。
10 社会課題の解決のために、必要に応じ、国や自治体、企業、市民等に対し提案や情報提供を行っている。
市民参加と連携 市民参加 11 寄付や会員制度、ボランティア、インターン、イベント等を通じて、市民が団体や活動に参加・参画、または支援・協力できる機会を提供している。
寄付 12 個人および法人からの寄付募集について、適切な情報提供と使途の明示を行うとともに、寄付者情報の管理と寄付者への対応を適切に行っている
13 寄付者に対して、寄付金に関する活動報告と収支報告を適切な時期と方法で行うとともに、組織のホームページやSNSで概要を公開している。
14 地域の様々な主体、または同じ社会課題に取り組んでいる団体と連携・協働を行っている。
連携・協働 15 必要に応じ、行政と積極的に情報交換し、連携・協働を行っている。
16 必要に応じ、企業や助成財団から支援を得るとともに相互の関係を築いている。
社会的責任と信頼 人権尊重と環境配慮 17 人権を尊重し、組織としての行動規範を明確にし、役職員は事業や組織運営において社会規範に即した倫理的な行動をしている。
18 持続可能な社会を目指して、環境に関する法令や規則等を遵守するとともに、環境負荷やその対策を把握し、日常業務や活動の中で環境に配慮した取り組みを行っている。
コンプライアンス 19 理事との利益相反について理解するとともに、利益相反取引等が発生する場合には、事前に確認をした上で、適切に事務手続きをとっている。
20 組織運営に関わるリスク管理として、関係する法令を遵守するとともに、法改正等の状況を把握し、対応を行っている。
21 法令および就業に関係する規定に基づき、職員の労働条件・職場環境を適正に整備し、適切に賃金を支給している。
自立と自律 ガバナンス 22 社員総会/評議員会を組織の基本方針の決定機関として位置づけ、ガバナンス上、重要な役割を果たすために、社員/評議員が意思決定に適切に参加できるような運営を行っている。
23 理事会は組織の中立性と公平性を維持した役員で構成され、組織の方向性や法人経営について健全な意思決定を行い、理事は職務上の責任を認識して、団体の運営に関わっている。
24 監事は職務上の責任を果たすために、独立した立場で、理事会に出席し理事の職務執行や財産の状況を把握し、会計監査と業務監査を行っている。
規程と情報公開 25 事業や組織運営に必要な規程や規則等を制定し、制定・改廃の際には理事会または社員総会/評議員会で承認している。
26 事務所に備え置くべき書類を整備し、定款に基づき貸借対照表を公告するとともに、定款・役員名簿・事業計画書・事業報告書・決算書類・役員報酬を組織のホームページもしくは情報公開サイトで公開している。
会計と財務 27 適正に会計処理を行うとともに、団体が採用している会計基準に沿って、「財務諸表の注記」を含む財務諸表等を適切に作成している。
28 安定的な組織経営と活動の継続を図ることを目的として、健全な資金調達に取り組むとともに、適切に財務管理を行っている。