これまでにない一般社団法人・一般財団法人の組織運営に関する大規模アンケート調査
~700団体を超えるアンケート結果から見えてきた一般法人の組織運営の実態とは~
(公財)日本非営利組織評価センター(JCNE)は、2023年3月に「一般社団法人及び一般財団法人の組織運営に関する実態調査」の報告書を発行しました。
JCNEでは一般法人の組織運営に関する実態調査を2022年8月に実施しました。これは、2021年1月にアンケートを実施し、同年8月に調査報告書を発表した「一般法人に関するアンケート調査報告書(https://jcne.or.jp/2021/08/02/report-7/)」の第2弾として実施したものです。
前回の調査では、公益コミュニティサイト「CANPAN」への登録法人やJCNEでメールアドレスを取得している一般法人を対象にインターネットによるアンケート調査を行いました。しかしながら、社会福祉分野の法人が多いなどそもそも母集団に偏りがあったことに加え、回答数及び回答率も十分なものとは言えないものでした。
そこで、調査方法を変更して、昨年度に続き、一般法人の組織運営の実態解明を目的に調査を実施しました。国税庁「法人番号公表サイト」に登録されている一般社団法人及び一般財団法人を対象とした郵送によるアンケート調査を実施しました。
国税庁「法人番号公表サイト」からダウンロードしたデータの中から、無作為に8,000件のサンプルを抽出して調査対象の母集団としました。サンプル数は、直近の一般法人の登録データ件数が8万件に近い件数であったことから、その10%にあたる8,000件を母集団としたものです。昨年度調査の実績(回答数154件、回答率8.3%)と比較して、今回は有効回答総数727件、回収率9.1%となりました。
ここに調査結果をとりまとめましたので、「一般社団法人及び一般財団法人の組織運営に関する実態調査」として報告書を発行いたします。ご多忙の中、回答をいただいた法人の皆様に、あらためて心からお礼申し上げます。
一般法人に関する実態調査としては、これまでにない規模での調査となっています。実際に一般法人を運営している法人関係者から、非営利組織の中間支援組織、社会貢献活動に取り組んでいる企業、非営利組織に関わる国や自治体の関係者、非営利組織に関する研究者などの皆様にご活用いただければ幸いです。
「一般社団法人及び一般財団法人の組織運営に関する実態調査」
0.表紙・目次 1.はじめに・はしがき・解説
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-0.pdf
1.調査概要
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-1.pdf
2.調査結果(1)法人概要
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-2-1.pdf
2.調査結果(2)人的資源
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-2-2.pdf
2.調査結果(3)財政
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-2-3.pdf
2.調査結果(4)事業
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-2-4.pdf
2.調査結果(5)組織運営
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-2-5.pdf
2.調査結果(6)情報公開・情報発信
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-2-6.pdf
3.まとめ 4.その他回答
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-3-4.pdf
5.調査票
https://jcne.or.jp/data/report_20230327-5.pdf
本調査の概要
調査分析の目的
1.一般法人の法人区分(非営利型/普通)や運営機関、雇用者数などの法人基礎情報(法人属性)の実態
を明らかにすること。
2.一般法人の事業運営における理念目的と活動分野を明らかにすること。
3.一般法人の組織運営における悩み・困りごとを明らかにすること。
調査対象
国税庁「法人番号公表サイト」からダウンロードした一般法人のデータの中から、無作為に8,000件の
サンプルを抽出して調査対象の母集団とした。
無作為抽出にあたっては、データのダウンロード時点(2022年7月19日)における一般法人の登録デー
タ件数83,482件から、登記閉鎖法人を除外して、社団・財団別件数及び都道府県別件数を把握した。
その上で、調査対象サンプル数(母集団)を、登録データ件数の概ね10%にあたる8,000件とし、登録
データ件数と相似形になるよう、社団・財団別及び都道府県別に比例按分した。
調査方法
JCNE2021の実績(回答数154件、回収率8.3%)を踏まえ、また類似のアンケート調査結果の回収率を
参考にして、回収率10%にあたる800件を回収目標とした。また、アンケート調査は、以下の方法に
より実施した。
◼ 実施期間:2022年8月14日~同年9月16日。
◼ 調査手段:アンケート用紙送付による郵送調査。
アンケート項目
アンケート本文28問(選択回答17問、記入回答10問、複合回答1問)、法人属性に関する質問7問(選択
回答及び記入回答)とした。アンケート調査票の章立ては以下の通りである。
(1)法人について
(2)人的資源
(3)財政
(4)事業
(5)組織運営
(6)情報公開・情報発信
調査結果から見えてきた一般法人の実態について、一部を抜粋してご紹介します。
税法による法人区分については、公開されている統計データではわからない情報であり、これだけの回答規模でその実態が明らかになったのは、日本初の調査結果となりました。
- 税法による法人区分は、普通法人が42%、非営利性徹底型法人が40%、共益的活動目的法人は19%。
- 公益法人化の意向について、83%が公益法人化を目指していない。
- 一般社団法人の社員数の中央値は「8人」、一般財団法人の評議員数の中央値は「6人」となった。
- 理事数の中央値は「5人」、監事の中央値は「1人」となった。
- 雇用者数の中央値は「2人」となった。
- 年間の経常支出額は「1.5百万円未満」の回答が、41%と最多となった。「2. 5百万円以上1千万円未満」の回答まで含めると、支出額千万円未満」の回答は、54%と過半数を超える。
◇◆◇◆◇◆◇公益財団法人 日本非営利組織評価センターについて◇◆◇◆◇◆◇
団体名:公益財団法人 日本非営利組織評価センター
※2022年11月に内閣府より公益認定を取得し、あわせて法人名称の変更を行い、「公益財団法人日本非営利組織評価センター」になりました。
理事長:佐藤 大吾
所在地:〒105₋0001 東京都港区虎ノ門1丁目11-2 日本財団第二ビル3階
設立:2016年4月1日
電話番号:03₋6457₋9721(平日9時30分~17時30分)
URL:https://jcne.or.jp/
事業内容:評価・認証事業の実施・公開、評価・認証制度に携わる人材育成ほか