日本非営利組織評価センターの組織評価・認証制度について、助成プログラムでの活用が少しずつ拡がっています。助成金申請書で組織評価の実績を記載したり、助成決定した団体にベーシックガバナンスチェックを受けてもらうなど、助成財団と連携しています。
そこで、組織評価をすでに活用して、あるいはこれから活用して組織基盤強化を図りたいと考えている団体を対象に、組織基盤強化の観点から助成金の活用をお伝えするセミナーを開催しました。
第12弾は「助成金が決まったら・・・」です。
昨年4月に開催したセミナーのリバイバルです。
内容をバージョンアップして開催しました。
3月は昨年秋に助成申請を行った事業の助成金の内示の連絡が来る頃です。
そして、助成金が無事採択になった場合は、4月から事業を開始するタイミングです。その時に、どんなことをすればよいのか、何に気を付けなければいけないのか、助成金だからこそ取り組んだ方がよいことは?など、考えなければいけないことばかりです。3月にその準備を開始する必要もあります。そこで、団体や事業を成長させるための助成金の活用という観点から、助成事業開始時にやるべきことをお伝えいたしました。助成金を活用することで、どのように組織基盤強化につなげていくことができるのかを学ぶことができたと思います。あわせて、組織評価による団体の基盤強化についてもご案内いたしました。
JCNE助成金活用セミナー「助成金が決まったら・・・Part2」
日 時:2023年3月7日(火)19:00~20:00
場 所:Zoom(オンライン)
対 象:以下の4つの条件、すべてに当てはまる団体関係者
①法人格のあるNPO(NPO法人、一般法人、公益法人、社会福祉法人)
②団体や事業の成長のために助成金を活用したい団体
③JCNEの組織評価を活用して組織基盤強化を図りたい団体
④ベーシックガバナンスチェックの評価を受けている、受けたい団体
※下期より新たに④を追加しました。
※条件を満たしていない場合は参加をお断りすることがあります。
あらかじめご承知おきください。
※その他、参加特別枠をご用意しています。
参加者:12名
主 催:(公財)日本非営利組織評価センター
助 成:(公財)日本財団
<レクチャー内容>
「助成金が決まったら・・・」
講師:山田泰久(当センター業務執行理事)
・助成金のルールを知る
・団体内部での事業体制
・助成事業を広報に活用する
・事業成果を意識した事業の準備
・事業報告書の様式から考える助成財団の期待
・事業を始める前に現状確認
・事業完了後を意識した事業構築
などなど
※昨年4月に開催したセミナーのリバイバルです。
内容をバージョンアップして開催しました。
セミナーのプレゼン資料(ダイジェスト版)
https://jcne.or.jp/data/jyosei_20230307.pdf
ベーシックガバナンスチェックの説明資料
https://jcne.or.jp/data/JCNEbasicVer.03.pdf
今回は参加者の中から、三宅さん、荒木さんに開催レポートを作成していただきましたので、掲載いたします。(三宅さん、荒木高橋さんありがとうございました。)
【三宅さんの開催レポート】
①全体の感想
資金を継続性資金と単発性資金に分けるという考え方は、新鮮に感じました。通常、資金は、その性格上、寄付収入、助成金収入、事業収入に分けて考えていました。そのためそれぞれを得るための費用(苦労)と収益(喜び)を考慮して、どの助成金の下書きをするかを考えています。助成金の内の報奨金は、義務があまりない「棚からぼた餅」なので、支援先の下書きとして、最もおすすめだと思っています。100万円クラスの報奨金をもらうと支援先の代表の顔が上がり、背筋もピーんとするように思います。それに名誉や信頼もつくので、最も美味しいと思っています。
②セミナーの中で印象に残ったこと、勉強になったことなど
・外部の資金源の付加価値―>申請する側で、ここを貪欲に攻める団体は、少ないかなあと思いました。
・ネットワークの付加価値→私もよく、「この方をあの方に」と妄想してしまいます。
・早め早めの事前相談→みなさん、親切にいろいろ教えていただけます。
・予算変更の話は、最近、大変な思いをした団体がありました。(費目やその用途の変更も不可と言われました)
・今回あまり話題にならなかったと思いますが、「自団体のキャッシュフローの確認」→大きな助成金をとっても精算時に入金だと手元資金が無くなったり、金融機関からの借り入れが発生したりします。昨年、発足した「ノンプロフィットファイナンス」さんのように、無利子の融資団体が増えるといいなあと思います。
【荒木さんの開催レポート】
①全体の感想
今回は事務的な説明だけでなく「助成金を活用していかに団体や事業を成長させていくのか」という視点での細かいアドバイスや具体例を伺うことができて大変参考になりました。助成金がどういう性質のものかという基本的なところから、助成金申請の留意点、準備にあたっての手順から実施についてだけでなく、助成金を事業の発展性や持続可能性を高めるためのキャンペーンとして捉える広報的活用法やステークホルダーとの関係づくりにまで幅広く説明されていたのもよかったです。必要があればしっかりルールブックを読んで助成財団の担当者に前もって早め早めに相談や確認をすべきポイントについても申請者側としては盲点で、今後役立ちそうなアドバイスがたくさんありました。今回のセミナーでは事業計画の許容範囲について触れられていて、そのことも私はあまり知らなかったので今後もこのようなセミナーがあればもっと詳しく知りたいと思いました。
②セミナーの中で印象に残ったこと、勉強になったことなど
・助成金事業をキャンペーンとしてPR活用
・助成金が終わった後にも活用できるようなものを生み出していく、そういうような視点で考えていくっていうこと
・信頼の付加価値、ネットワークの付加価値、事業作りの付加価値
・助成期間っていうのは助走期間で、組織が自走できるような体力やスキル、ノウハウなどを身につける期間、自分たちで今度は自走できるような、力を蓄える期間という形でこの助成金の期間を活用する
・事業開始前に対象者となりうる層に対してアンケートやヒアリングなどを行ってしっかり現状確認をしておく
・ソーシャルキャピタルをしっかり作って皆さんがお金がなくなった後の活動できるような基盤をしっかり作っていく
・成果の可視化と改善を行っていく
以上