この度 太田達男の後任として(一財)非営利組織評価センターの理事長に就任することとなりました。つきましては身に余る大役ではございますが 事業の発展に力の限り努力をいたす所存でございますので、前任者同様格別のご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2016年4月に日本のNPOの組織評価を行う専門機関として設立された当センターも、7年目となります。ベーシックガバナンスチェック、グッドガバナンス認証制度、2つの組織評価制度を立ち上げ、運営を行っています。NPOとしての組織運営やガバナンスの基本を確認するベーシックガバナンスチェック制度では、すでに500以上の団体が評価を受けています。組織運営や事業運営について一定水準以上のレベルがある団体に対して認証を付与するグッドガバナンス認証制度では、50を超える団体が認証団体として登録されています。NPOの組織評価が当たり前にある欧米諸国のように、日本においても、少しずつですが、NPOの組織評価の取り組みが拡がっています。
私自身がこの世界に足を踏み入れたのはNPO法が施行になった時期と同じ1998年です。それまで「ボランティア活動」と表現されることが多かった取り組みが、それを機会に「NPO」と表現されることが一気に増えた記憶があります。最近では「NPOを始めたい」という相談よりも、非営利・営利問わず「ソーシャルビジネスを始めたい」という相談を頂くことが増えています。そして、5万を超えるNPO法人や、7万近い一般社団法人など、数多くのNPOが設立され、ボランティア活動、NPO活動、ソーシャルビジネスなど、呼び方は様々ですが、公益活動に取り組んでいます。また、それらの団体は、組織の規模も組織運営の状況、事業内容など、多種多様な存在となっています。NPOの総数が増えて、社会課題が複雑化・増加していく中で、寄付者や企業などの支援者にとっては、NPOに関する信頼情報へのニーズも今まで以上に高まっています。
NPOの評価・認証を通じて、NPOの組織基盤の強化や透明性の向上による適切な事業の運営を促進すること、受益者、支援者、行政、助成財団及び企業等、公益活動を取り巻く関係者に客観的かつ信頼性のある情報を提供すること、NPOの信頼性向上を図ることでより良い市民社会の創造に寄与することを目指して、事業に取り組んで参ります。
一般財団法人非営利組織評価センター 理事長 佐藤大吾