NPOの監事のためのMeetupの第3弾を開催しました。
今回は「今年の監事を振り返る」をテーマに、監事の人も、監査される側の理事の人も、監査の窓口になる事務局の人も、一緒に今年の監事を振り返りました。
NPOのガバナンスにとっては「監事の役割が大事」と言われることが多いですが、監事自身が監事としてどんな役割を果たせばいいのか、学ぶ機会はあまりないのが現状です。そこで始まったのが「NPOの監事のためのMeetup」です。
今回は参加者も少人数でしたので、みなさん全員でディスカッションしながら、今年の監事を振り返りました。それぞれの団体でどんな監事監査が行われてきたのか、どんな風に監事が活躍されたのか(あるいは活躍しなかったのか)ということを共有しました。
今年1年間の監事の取り組みや監事監査を振り返って、良きところを学び、悪かった点を反省し、この1年間の活動を参加者同士で讃え合うことができました。
NPOの監事のためのMeetup Vol.03
~今年の監事を振り返る~
日 時:2021年12月13日(月)19:00~20:30
場 所:Zoom(オンライン)
対 象:NPO(非営利組織)の監事、監事と関わりのある理事や事務局の方、中間支援組織の方など
参加者:9名
主 催:(一財)非営利組織評価センター
助 成:(公財)日本財団
<実施内容>
1.アイスブレイク
①事前アンケート「今年の監事大募集!~今年の組織運営、どんなかんじ?~」の発表
今年の監事を漢字一文字で表現すると?
【連】
中々リアルなミーティングが開催しにくい状況が続いており、監事業務も中々厳しいものがありました。私が監事を担当させて頂いているNPOでは理事の皆さんのご協力もあり、必要な書類等の共有また会議は一部オンライン、一部郵送など、状況により幾つかの手段を併用して対応頂きました。こうした「連携」の下でNPOとしても特殊な対応となっていたいろいろな活動をモニターさせて頂区ことができましたので「連携」から「連」を選びました。
【難】
監事になって間がなく、感覚として難しいと感じた。
【箱】
クラウド上の共有フォルダ「箱」に書類を入れて整理する作業に追われました。
【助】
新型コロナの状況や情報セキュリティ、ハラスメント防止対策などで、監事が様々なアドバイス・助言をしてくれたので、助言の「助」です。
【代】
新しい監事への引き継ぎ、積極的に組織に参加できる監事への交代
②NPOの監事2021 重大ニュースの発表(順不同)
当センター業務執行理事の山田泰久が独断で選んだ重大ニュースを発表しました。
(1)新型コロナの影響で、オンラインによる監事監査も実施されるようになってきた。NPO会計税務専門家ネットワークによる「新型コロナウイルス対策下における監事の監査の留意点」が参考になる。
(2)新型コロナの影響でテレワークが普及している中で、情報セキュリティやオンラインサービスについての関心が高まる。電子契約、電子印鑑、クラウド利用によるセキュリティ、利用端末のセキュリティ、WIFIなど。
(3)今年も、横領や個人情報流出などの不祥事が発生。会計担当、あるいは事務局長の横領。BCCメールで送るところを普通に送ってしまい、メアドが見れてしまった。Googleフォームの設定ミスで個人情報が見られてしまったなど。
(4)非営利組織におけるセクハラ案件が発生。
(5)2022年4月のハラスメント防止対策の実施にむけて、各団体は対応迫られる。監事に相談窓口や調査対応などの担当をお願いする動きも出てきている。
(6)非営利組織評価センターが5月に監事Meetupを開催。60名規模のイベントに。
(7)NPO会計税務専門家ネットワーク(@PRO)が、監事のネットワーク化の動きを始める。
(8)非営利組織評価センターが、ガバナンスの要の監事の役割を解説した「NPOの監事ハンドブック」を6月に発行。
(9)NPO法の改正等の働きかけやその解説を担ってきて、多くのNPOに頼られてきた、認定NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会が11月に解散。事業継承先として、NPO法人セイエンが新たに設立される。
2.全体でディスカッション、シェアタイム
みなさんで自己紹介やディスカッションした内容から、参考になるお話しをピックアップ。
・複数の団体の監事に就任している。団体によっては監査の仕方を知らないので、アドバイスをしながらやっている。いきなりすべてを対応すると事務局が大変になってしまうので、少しずつやっていく。助言している。
・市民に開かれた組織になるようにアドバイスする。正会員などに、より開かれた組織へ。
・次世代へ移行することを目指す。未来に向けてのアドバイス。
・理事にお願いしたいというお声掛けをもらったが、理事として経営などにコミットするまでの時間や手間はとれないので、監事としてアドバイスを行う立場で関わっている。
・理事会が積極的に運営にタッチしている団体で、決算理事会しか呼ばれていないケースもある。監事の役割を伝えているがなかなか改善されない。
・監事からの褒めコメントはうれしい。
・監事をお願いされた時に就任する基準としては、設立支援を行った団体の監事になる。
名前だけの理事になるよりは、監事の方が団体にかかわりやすい。
・今年、監事に就任。今までの監事は会計だけ監査をしていたが、そこを変えていきたい。理事会にオブザーバーとして参加している。
・監事として、組織の体制強化を図りたい。関係する人を増やしていく。監事は重しとしてやっていく存在。
・監事がいろいろマニュアルや体制を整備してくれた。監事はコミットしてくれる人にお願いしたい。
・理事会で、各理事がどんなことを発言しているのか、目立たない形だが活躍している理事の姿を見ていく。
・監事を頼まれる時には、法人のビジョンやミッションなどを確認する。自分が監事をすることについて、団体がどういったことを期待して依頼するのかを確認する。
・監事をお願いする時は、中長期視点で団体の方向性を考えて、こういった形にしていきたいというところから、監事に期待すること、やってもらいたいことをお伝えする。
・監事を引き受ける時は、「私の監査は厳しい」ということを伝える。
・この人達と一緒にやっていきたいという団体の監事を引き受ける。人柄も見ていく。
・会計監査と業務監査があるが、業務監査は理事会に参加しないとしっかり監査ができない。情報が入ってこないと監査できない。
監事として、監事の対応窓口として、来年に向けて取り組みたいこと
・これまでは業務監査が中心だったが、会計監査も勉強してやっていきたい。
・月次決算が出来てないので、監事としてサポートしながら、実現していきたい。
・業務監査をしっかり行うために理事会にしっかり参加したい。
・ガバナンス強化。団体にあったやり方で権限移譲を進めていきたい。
・年相応に丸くなる。気持ちよく監査する。
・監事は一人なので、孤独。来年もこういう機会があるとよい。
以上
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。