1.なぜ非営利組織の第三者評価が必要なのか
1998年に特定非営利活動促進法が制定されて以来、5万を超えるNPOが法人格を取得し活躍しています。一般法人も4万団体を超えました。これら公益活動を行う非営利組織の皆さんの手によって、地域の人々の様々な課題がサポートされています。
そして、3.11の東日本大震災以降、全国で寄付支援やボランティア参加の意識が高まっています。
ですが、寄付をしたい一般の方は、どこに寄付していいか分からないとおっしゃいます。
ある都市銀行の行員の方の言葉です。
「団塊世代以上のご夫婦から、被災地支援の活動に寄付したいけれど、どこに寄付していいか分からない。寄付先を選んでくれませんかと頼まれます。個人的な意見で紹介することもできず困っています。」
各団体の活動の内容はホームページ等で分かっても、その団体がどのように運営をされているかは分からない。
寄付が有意義に活用されるのだろうか……というご心配です。
また、活動実態が分からない団体の存在や不祥事が報道されることで、ソーシャルセクター全体に対する信頼が低下。頑張っている団体にとっては迷惑な事情もあります。
そんな場合、NPO法人等は活動内容をもっとPRすればいい……という方法では、社会課題の解決を具体的に支援したいと考える慎重な人の心配を解消することができません。評価はプレゼンとは異なり、他者が行うことで信憑性が生まれるからです。
チャリティの歴史が長い諸外国では、第三者である評価機関が寄付等の支援を受けて活動する団体の運営状況を評価認証し、その結果を公開しています。
日本でも同様に非営利組織の評価が必要な時期になったのではないか。そこで2014年から2015年にかけて「非営利組織の評価・認証制度に関する準備委員会」が設けられ、どのような制度・基準を活用すれば「信頼できる非営利組織」を第三者的に評価できるかについて議論が行われました。
結果、下記の5分野の評価を行うよう提言がありました。
1.組織ミッションと事業(の明示)
2.ガバナンス
3.コンプライアンス
4.透明性
5.事務局マネジメント
事業そのものはそれぞれの団体が課題意識を持って取り組まれています。そこで事業の目的や内容ではなく、運営の土台となる組織の状況を評価する。つまり、この評価では組織の運営状況をみるものです。
5分野にそれぞれ設問を設け、「はい」「いいえ」で回答できる基準を策定しました。
2015年3月には、当センターの設立準備会よりご依頼して、全国のNPO法人、認定NPO法人、一般法人そして公益法人に上記の組織評価を試行事業として受けていただきました。
現在、基準項目のブラッシュアップを有識者からなる評価制度開発検討委員会で行っています。
2.2016年度組織評価のフィージビリティ・スタディ全300団体を募集
2016年度は一般募集により、この第三者評価を受けていただく団体を募集します。春には50団体の上限に先行受付しました。
9月のこのご案内では150団体まで評価の試行事業(フィージビリティ・スタディ)にご協力いただける団体様を募集し、無償で評価をご提供します。
いち早くこの評価を受けていただける団体の方には、評価を受けるご体験についてアンケート等をお願いし、共にこの制度を作り上げるお手伝いをいただきたいと願っています。
3.評価の詳細
どうやって組織評価を行うのか?
まずは、評価を受ける団体の皆さんに「自己評価」に取り組んでいただきます。
当センターより評価基準について詳細に解説した「自己評価の手引き書」データをお送りします。ダウンロードしてご利用ください。
また、その手引書の中に目安時間や取り組みの方法についてのご案内します。
評価基準項目
第2期で募集する団体の皆様にお取組みいただく評価基準は「5分野・41項目」です。
どのような内容かは、こちらをご覧ください。
評価の設問は、例えば、Ⅲ.コンプライアンスの「個人情報保護の取組み」という基準の場合、「個人情報保護に関する基本方針及び取扱い規程を明示し、取り組んでいる」という設問です。この設問に「はい」か「いいえ」で回答していただきます。
そして、「はい」の場合は、団体で備えている方針・規程の文書データをエヴィデンス(根拠)としてデータ送付していただくか、ホームページ掲載の場合はそのURLをお知らせいただきます。その有無を当センターの評価者が確認し、第三者として「はい」の裏付けを確認したという評価を行います。
第三者組織評価とは
評価のステップおよび団体内部で「この組織評価に取り組むか」をご検討いただくための資料です。
資料データは、こちらをご覧ください。
ご応募はこちら
2016年9月受付の第三者組織評価(無料)の募集は150団体様までとさせていただきます。
受付期間は、2016年9月26日(月)から10月11日(火)までです。
ぜひ初年度の2016年に組織評価の取り組みにご参加ください。