NPOのための新しい評価制度が始まります。

理事長ご挨拶

太田達男

一般財団法人 非営利組織評価センター

President 理事長
Tatsuo Ohta 太田達男

NPOの信頼性と力量向上を目指して。


全国の非営利組織(NPO)を対象とする我が国初の評価機関、一般財団法人「非営利組織評価センター」(JCNE)が、4月1日に誕生しました。 高齢者ケア、子育て環境、貧困格差などをはじめ、文化芸術の継承・振興、国際的NGO活動、難病や障害に苦しむ方々の支援等々、様々な社会的課題に取り組んでいるNPO活動に対する期待は益々高まってきています。これらのNPOには1万弱の公益法人、5万を超える特定非営利活動法人、2万近くの社会福祉法人などが典型的ですが、平成20年の公益法人制度大改革によって、登記だけで設立でき、認可・監督官庁もない、それこそ究極の自由が保証された一般法人制度により新しく設立された一般社団・財団法人も、既に3万近くと推定されています。その他旧公益法人や旧中間法人から移行した一般法人も1万5,000ぐらいあります。 これら10万を超えるNPOの中には、公益活動とはとても言えないような事業を実施しているところもあり、また、その運営がきわめて杜撰な組織もあり、いわば玉石混淆であることは、識者の指摘するとおりと思います。

JCNEは、NPOを寄附やボランティアにより支援する一般市民をはじめとして、その事業の利用者(受益者)、助成財団、事業委託等の契約の相手方(企業・行政など)、そして研究機関など広範囲なステークホルダーに活用してもらうことを想定して、NPOの組織情報を一定の基準により評価し、これらの方々に参考情報として提供することを事業目的としています。 しかし、評価事業はあくまでも手段であり、JCNEの描くビジョンは、この手段を通じてNPOの力量を質量ともに高め、社会的な信頼性を高めていくところにあり、それにより多くのNPOが、行政や市場経済では担えない分野の社会的課題の解決に重要な役割を果たすというゴールを目指しています。

今回、多くのNPO 支援組織の賛同を得、また公益財団法人「日本財団」の全面的バックアップを受けて、JCNEを創設いたしました。当面試行錯誤的に運営されていくものとは思いますが、先に述べたような理想を大きく掲げて、成長していきたいと考えています。
どうか、関係各位のご指導ご鞭撻をいただきたくお願い申し上げます。

評議員・役員メッセージ